幻想舞台シリーズ用語集


 

裏世界(うらせかい)

長年多くの人間が落ちてきたため文化を取り入れることができた。その際、言葉という文化も取り入れられていったため公用語も表世界と同様。日本で裏世界へ飛ばされるとトパー達のいる辺りに落ちるためトパー周辺は日本語を使用。中央街は独自言語あるいは様々な言語の者が集まるので翻訳魔波具である「読法・翻訳輝石」が普及している。

家電類は魔波具の技術を応用しているためメカニズムや内部は表世界と比べてデタラメ。

現在文化の吸収は中央街が担っている

 

鬼神(きじん)

神の名を宿しているが、その存在は神には程遠い、悪意の化身。

悪意自体が集まって無から具現化されて生まれる場合と、生物が持つ悪意が一定の値を超えることにより鬼神へ変貌する場合がある。後者の場合は人為的に悪意を注入された場合も同様だが、外部からの悪意に対しては体が拒絶反応を起こし、花喰という症状になる。

鬼神自体は裏世界で珍しいものでもない。いわゆるファンタジー世界におけるモンスター的立ち位置。

悪意を喰うことで鬼神も力を増す。悪意を多く持つ人間は世界の境界をも超えて鬼神の餌として見定められる。並の鬼神では普通、人間を引きずり込むほどの力はないが、鬼神の赫怒が近くなり世界の境界が不安定になると生きた人間を引きずり込みやすくなる。

 

鬼神の赫怒(きじんのかくど)

裏世界で数年に一度訪れる災厄のこと。いつ頃来るかはジルコの家系(レーテーの残党)が悠遠天球で予言する。

特に今回の赫怒は規模が大きいだけでなく、既に異常なまでの花喰患者を生み出していて裏世界全体でピリピリしている。

原因となる大きな鬼神のことを暴悪なる鬼神王と呼ぶ。

 

コキュートス

鬼神討伐隊コキュートス。裏世界の中央街を除いた広い範囲に大きめの連隊を配置している。

カイーナ、アンテノーラ、トロメア、ジュデッカの4連隊に1~10班がある。鬼神の出やすさ(≒人口密度)を多少考慮しているものの、実力差で班の振り分けはしていない。ただし本部は幹部中心に実力派で固めている。

昔は鬼神討伐ギルドという中央街の小さなギルドであり、そこからコキュートス、ステュクス、プレゲトーン、レーテー、アケローンの部隊に分かれた。しかしコキュートスが鬼神討伐以外の任務(表社会の警察のような任務もあれば、裏社会の暗殺なども含む)も受けるようになりギルドと対立、ギルド側についた他4隊を撃破、中央街側はこれを問題視しギルドを追い出し、結果路頭に迷ったギルドの人間を救う代わりに全ての権限がコキュートスに明け渡された。中央街に連隊も本部も存在しない理由はギルド含め追放したため。

 

術喰らい(じゅつくらい)

魔波術は通常魔波具が必須であり、どんなに優秀な魔波を宿していても魔波具がないと無力に等しい。しかし魔波具を使用せずに、魔波術自体を体内に宿した者の存在が僅かながら確認されている。現状は特定の魔波具を使用し続けることにより、体がその魔波術を発動するための魔波の流れを覚えるため、魔波具無しでも発動できるという説に落ち着いている。

さらに一握りだが、元々の魔波具に定められた魔波術を改変できる者も確認されている。

 

呪波術(じゅはじゅつ)

魔波を無理矢理体内で生産し、魔波術を発動させる能力。元々はソグディアの実験の成果であり、ヘマタイトが自身で呪波術を他者に与えられるようになった。

動力源として呪いを自身の体内に流し込み魔波を生成し、その魔波で魔波術を行使できる。そのため理論上は魔波虚脱にならない。しかし体内に呪いを流し込むため毒を摂取していることと同様で、副作用として出血や怪我を伴う。時間経過で解毒されていくためそうそう死なないが、短時間で使いすぎると死に至る。

ただし研究段階で止まってしまっているため、既存の魔波具には使用できない。通常の魔波と区別をつけるため呪波術で錬成された魔波は呪波と呼ばれている。呪波術として与えられた術にのみ使用可能。

レーテーの残党(当時はまだレーテー隊として存在していた)に呪波術を授けた後、現在もその血を引く者に受け継がれている。基本的には血縁で受け継がれるはずはないが、レーテーの残党の実験で「通常の魔波と併用して魔波術を行使する」領域にまで達した上に、遺伝もするようになったらしい。

悪用を防ぐため、レーテーの残党は彼らを御伽話として長年広めていた。結果現在ではほとんどの者が御伽話、あるいは実在していたが現在は子孫含め存在していないと認識している。ごく一部の中央街上層部は現在もレーテーの残党の存在を認めており、血眼で探している。

 

魂喰らい(たましいくらい)

その名の通り、他者の魂を喰うことで寿命を延ばし、永遠の命を得た者。時法・不変心鎖の使用や自律型魔波具への改造とは違い、肉体自体は老けていく。あくまで魂の寿命を延ばしている。

現在該当者はソグディアのみ。元々は命を落としたソグディアにソグディアの両親が他者の魂を集め蘇生させたので、ソグディアの両親が亡き今メカニズムは闇に葬られてしまっている。ソグディアも研究を進めているが、自身の生命維持の分で精一杯らしく、なかなか実験に必要な分の魂すら集まっていない。

 

中央街(ちゅうおうがい)

その名の通り、裏世界の中央に位置する街。非常に広く、中央街と呼ばれる範囲を一周するのに数日かかる。貴族や富豪が多いが、貧富の差も激しいため治安はそこまで良くない。

言語も入り乱れているため、意思疎通のために「読法・翻訳輝石」という魔波具がほぼ必須。

 

ディアカッター

60年前に廃墟であった金剛塔を拠点に活動を開始した「なんでも団」。現在は義賊と言われているが、コキュートスからは明確な敵意を込めて盗賊・悪党と呼ばれている。

ボスのディアモ、幹部の四凶傑、大量の団員という組織の規模の情報は判明しているが、ディアモや四凶傑の姿等は謎に包まれている。

なんでも団の傍ら、水面下でコキュートスや中央街と敵対している。荒事や裏社会への介入(主に裏社会を粛正する側だが)も行っているため、決して表社会の軽い任務を行うなんでも団とは言い切れない。ただし、中央街やコキュートスへの敵対はディアモや四凶傑(過去の構成員含む)の個人的なものであるらしく、現在の団員で明確な敵対理由を理解している者は一握り。ほとんどの団員は流れてきた任務を適当にこなしてお小遣いを稼ぎ、団員達との共同生活で親睦を深めてゆるりと生活している。コキュートスや中央街の悪事に関してはディアカッター内で広められており、過去の悪事や敵対理由として大きいものも聞けば簡単に答えてくれるらしい。

来るもの拒まずのスタンスではあるものの、スパイへの警戒心が強く、現にスパイ行為を行おうとしたコキュートス隊員が何人も帰らぬ人となっている。家柄や能力へのこだわりはあまりなく、孤児や路頭に迷った者も温かく受け入れている。本業や自宅が別にある者もいる。

ボスと四凶傑(幹部)という役職はあるものの、上下関係はあまり厳しくない。団員の中には魔波具商や魔波具の仕入れ役といった細かな役割分担もある。

 

特例人間保護局(とくれいにんげんほごきょく)

保護局の名を冠しているものの、実態は表世界の人間を発見次第無差別に収監・処刑を行う組織。表世界の人間が裏世界へ飛ばされた原因を調べる術が本人の自己申告以外無いため、鬼神に生きたまま引きずり込まれた者も、亡くなったことにより偶然引き寄せられた者も区別せずに対応している。

処刑に対する理屈は「どうせ鬼神の餌となり消える命ならば、鬼神を強化する餌となり迷惑をかける前にこの世から消した方がいいし、消しても問題ない」らしい。

現状中央街内でも賛成派と反対派がいるが、中央街を拠点とする貴族・富豪のほとんどが賛成派あるいは運営側であり、各所への金銭的援助を行っている都合上反対派として強く出ることができない。

ソグディアは処刑した人間の魂を譲り受けているため大きく言えない立場ではあるが、保護局の人間(の魂)を人質に脅しをかけて発言力を得たようだ。

 

花喰(はなばみ)

外部からの、つまり自身のものではない悪意を注入された際に起こる現象。肉体につるが伸び、花が咲き、体液は全て宝石となる。

この宝石は高値で取引されるため、花喰宝石商と呼ばれる者も存在する。その名の通り花喰を人為的に起こし、花喰状態となった者の体液を宝石化し、採集する。

拒絶反応で追いつかないほどの悪意を注入された場合は鬼神化し、そうでない場合は外部からの悪意が相殺されるまで花喰が続く。当然体力も魔波も消耗するため、魔波虚脱や死に至る場合もある。

 

魔波(魔波術・魔波具)(まは/まはじゅつ/まはぐ)

裏世界の魔力概念。見えない力の波であり、表世界の人間であろうと体内に存在している。魔波具を使用することで魔波術を行使できる。

魔波量が最大MPなら魔波効率は消費MP。基本的に魔波効率は才能だが、魔波量および魔波回復速度は鍛えることで増やせる。

魔波具は使用し続けると魔波を蓄積するため、使用回数(時間)が多い場合魔波のタンクとして使用可能。ただし魔波具に蓄積された魔波を取り出す技術は専門的であるため、魔波虚脱の治療くらいでしか使い道は無い。

 

魔波虚脱(まはきょだつ)

魔波の使い過ぎにより魔波が消え去ってしまった状態。

通常、魔波は自然回復する(むしろ自然回復以外の回復方法は無い)が、残っている魔波が完全にゼロになってしまうと回復不能となる。

予兆として魔波術の発動が不安定になるが、それを無視して使い続けると魔波虚脱となる。

治療方法は他者から、あるいは自身の魔波具に蓄積した魔波を移植する他ないが、ゼロから元の状態(自力で回復可能となる、以前と同じ状態)に戻すには、他の人間一人を魔波虚脱にせねばならないとも言われる。治療できる施設も限られている。

 

陽獄の呪いの子(ようごくののろいのこ)

陽獄地域と呼ばれる貧困地域で生まれた人間のこと。

約120年前頃から20歳になった途端に亡くなる現象が起こり始めた。その時点で20歳を超えていた大人は問題なく生きており、子供にのみ作用していた。既に陽獄地域から出ていった子供も年代が該当すれば作用しており、子供時代あるいは生まれる前に何らかの呪い、病に感染していたと考えられている。

呪いの子は外部からの蔑称を含めた呼び名で、陽獄地域の人々は原因を解明するために奔走していた。ある時魔波具等で肉体年齢を19歳までで止めれば、実年齢が20歳になっても生き延びられることが判明。しかし当時不老となる魔波具、「時法・不変心鎖」は非常に高価で、貧困地域の住民が購入することは難しかった。

最終的に呪いを受けていなかった大人達も寿命で亡くなり、現在は呪いの風評被害もあり無人のまま舗装等もされずに放置されている。

 

レーテーの残党(れーてーのざんとう)

かつてのコキュートスに襲撃された鬼神討伐隊のうち1つの残党(の子孫)。鬼神討伐以外の任務を受け続けていたのはコキュートスだけでなくレーテーもだった。レーテーは兵器製造、実質魔波具の製造に注力していた。

ヘマタイトに呪波術を伝えられ、それを実用化レベルまで改良した結果子孫にも呪波術が遺伝した。主にレーテーの残党とはこの呪波術を遺伝した子孫のことを指す。